前回ここに、次は今野敏氏の「闇の争覇」を読むと書いたのですが、書いた直後に気が変わって(^^;)、斉木香津氏の著書「凍花」を読むことにしたんです。斉木氏の著書を読むのは初めてでした。何故あの時急に心変わりしたかっていうと・・・よくわかりません。今野氏の著書はシリーズもので、最初からある程度登場人物がわかっていました。けれど、この著書に関しては何もわからない。アマゾンであらすじを読んだこと以外、私には情報がありません。それが逆に、「たまにはまっさらな気持ちで新しいもの読もうかな」という方向に繋がったんです。
なかなか興味深いお話でした。さほど躍動感があるわけでもないし、ただ淡々と事実整理が続くような話。仲良し三人姉妹の長女が次女を殺害。何故そのような事件が起きたのか、三女が事件の謎を解明していくという話です。三人姉妹というのが興味をそそられるポイントだったかも。私が三人姉妹だからです。私は次女。そして、うちもみんな仲良しです。
この事件の核となるのは、長女が持つ性格の二面性です。家族に見せていた顔と外で見せていた顔が全く違う。本人は自己統一を図りたいけど、どうもそれがうまくいかず、二面性を使い分けながら生きることに疲れていくんです。家では常にいい姉でいるように振る舞い、外ではちょっと横柄に振舞う癖がある。本当はみんなと仲良くしたいのに、誰も自分のことなんて見向きもしないと思い込み、孤立感を深めた挙句に発作的に殺人を犯してしまいます。
ここまで書くと、単なるネタバレになってしまうのですが・・・だって、長女は黙秘していて、三女も長女が持つ二面性にまだ気づいていないところから物語は始まっていくのですから。でもそれはさておき、長女の苦しみは少しはわかるような気がしました。自分もかつてはそうだったかもしれない。けど今は逆に、表裏がなさすぎて、誰もが私のことを見透かしているような気がして怖いのかも(苦笑)。外で粋がっていた時代はありましたし、それはそれで自分としては窮屈でした。人生の舵取りの仕方がわからない10代のころなら、誰だってそうでしょう。問題は、大人になっても自我が発達していないことだと思います。それがどんな結果を生むのか、この小説をもって学んだ気がします。
でも、この手の小説を今後も読みたいかといわれたら、そうではありません。私はもっとスピード感溢れるストーリー、壮大なドラマが読みたいのです。ですから、次に読む本は、佐伯泰英氏の著書「眠る絵」にしました。これは、警視庁が舞台となるお話です。この本はまだ読んでいませんが、今晩から読んでいくのを本当に楽しみにしています。
はじめまして。感想を読ませて頂き、どうしても書き込みたくなりました。私は現在41歳ですが、百合とほぼ同じ様に学校や職場、そして家庭内で苦しんできました。大人になっても自我が発達していない、のではなく、1番苦しんでいる本人にもどうしようもないのです。とても辛いのです。他の人にわかってもらえない事が、輪をかけてツライです。全く、本人は悪くないと思います。。
変な書き込みで、ごめんなさい。失礼かもしれませんが、書かせていただきました。