「テロルの季節」読破

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佐伯泰英氏の著書「テロルの季節」を読み終えました。

この本は、「ユダの季節」の続編で、闘牛カメラマン端上恭助が主人公、そして、「梟」と呼ばれるテロリスト、小磯信樹との因縁の対決を描いています。今回は、ヨーロッパが本格的に連合を組むのを拒むテロリストたちの暗躍を阻止するため、端上が活躍します。そのスケールの大きな世界に、またもや圧倒されました。今でこそ、西欧は自由に国境を越えることができるし、西欧のパスポートを持つ人間であれば、どこにでも自由に住むことができます。しかし、昔は民族性が損なわれるからといって、このような連合を組むのに激しく抵抗するグループがけっこうあったのですよね。今でもバスク地方やバルセロナを擁するカタルーニャが独立を画策していますが、陸続きの国がそれぞれ独立を保つというのは難しいことです。そういう、日本人にはあまり縁のないような世界に、すっと引き込まれていきました。この本、私は全体的に無理のない構成や躍動感など、好感が持てる作品だと思います。

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次に私が読もうと思っているのが、こちら「野望の王国」です。また佐伯作品にハマってしまっていますが、何はともあれ、この本を読むのもまた楽しみにしています。

「ピカソ 青の時代の殺人」etc購入

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久々に本を注文。

左側は、佐伯泰英氏の「ピカソ 青の時代の殺人」。私が好きな佐伯氏のシリーズというか、日本とスペインを股に駆けた攻防モノです。どうせなら、佐伯氏のこの手の作品は全部読んでしまおうと思っているんです。最近はもっぱら時代劇風のものを書いていると聞きますが、私はそういうのには興味はないので。

そして、右側は、「猟犬  特殊犯捜査・呉内冴絵」です。この本の著者、深見真という小説家を私は知らないと思うんです。たぶん彼の作品は初めて読みますが、ブラジル人の祖母を持つという女性の警察官が主人公のこの本は、何となく興味が沸きました。これは、シリーズもののはずです。そろそろまた、新しいシリーズを開拓したいと思いまして、その第一弾といったところです。

今晩は引き続き佐伯氏の「テロルの季節」を読むのですが、次に控える本もなかなか豪華になってきました。年内に今のスピードだとあと2冊くらい読めるかな?両方とも、すぐにでも読んでみたいですね。楽しみです。

「探偵の探偵」ついに読破

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ドラマ化された長編小説「探偵の探偵」をついに読破しました!

ドラマでは第3巻までのストーリーを詳細に描いていましたが、やはりそれだけでは終わりませんでした。物語には続きがあったのです。ドラマでは市村凜の正体を暴き出し、紗崎玲奈が別の探偵事務所に移籍するところで終わっていました。しかし、実際は市村凜から琴葉を救出する過程で玲奈と琴葉の間に気持ちのすれ違いがあり、それを乗り越えるために第4巻ではお互いに新しい戦いに挑んでいきました。ドラマでは、市村凜が何故探偵業に精通していたのか、そこまでは描かれていなかった。第4巻では、市村を探偵に育てた精神科医との攻防が描かれています。

なるほど、そういうことだったのか、と納得しました。誰が何のために市村のような女性を探偵に仕立てたのか・・・。それにしても、探偵という職業をリアルにここまで詳細に再現できるなんて、この著者は本当にスゴイと思いました。前に「催眠」を読んだ時にも思いました。この人の書く物語は、とんとん拍子でシーンが変わっていくのです。そこに若干スピード感がありすぎると思いましたが、物語としては不自然になっていない。私は特に「探偵の探偵」最終巻で、拘置所内での殺人事件を描いたところが圧巻だったと思います。

ただ、私は物語全体を通じて、レナと琴葉の関係には共感できないと思いました。この二人の関係については、ドラマのほうがしっくりくる。他人同士が本当の姉妹以上に必要としあう姿には無理があると思うんです。玲奈にとって、琴葉は人生の全てでした。琴葉がいる人生、琴葉と分かち合う人生が最も幸せである、と。それは、どういう生い立ちがあっても、成立しづらい類似姉妹愛だと思うんです。私には姉と妹がいますが、彼らの存在は一緒に育ったからこそあります。実の姉妹を他人に置き換え、本当の家族のように感情移入をすることは少なくとも私の人生ではないでしょう。妹分や姉貴のような存在がいても、それ以上求め合うことはありません。何故この二人が姉妹愛以上の強い絆で結ばれたのか、それがどんなに詳細に描かれていたとしても、理解しがたいものがありました。まぁ、それ以外の点では文句ない小説だとは思うんですけどね。私にとってはそこが残念なところです。

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そして、私は自分の原点に戻ってきたような感じです。次に読むと決めたのは、佐伯泰英氏の著書「テロルの季節」。たぶんこっちのほうが、それぞれの人間の関係性が理解しやすいと思います。まだ1ページくらいしか読んでいなくて、昨晩はすぐに寝てしまいました。今晩から続きを読んでいくので、楽しみです。

「探偵の探偵」最終章へ

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「探偵の探偵」、第三巻まで読み終わりました。そして、やはりドラマにされていなかったところがあった!!もっとも、その部分を読むのはこれからです。ドラマ化されたのは3巻までの部分、実は物語には続きがあったのです。

ドラマでは、「死神」が市村凜ということを突き止め、追い詰めるところまでで終わっています。要するに、レナが探偵になった原点は妹がストーカーによって殺されたことにありましたが、そのことに決着をつけたところでドラマは終わっているのです。レナはその後別の探偵社に移籍しますが、それ以上、物語に続きはありません。しかし、スマ・リサーチの須磨社長は、市村凜に探偵技術を教えた人物を既に特定しており、今度はその人物を追うところから物語が始まりそうです。勿論、第4巻で物語は終わり。この1冊で、本当の決着がつきます。

今まではただドラマに出てきたところをすらすらと読んでいただけなので、頭をさほど使っていませんでした。原作とドラマは勿論かなり違うのですが、それ以上に、よくこの原作をあそこまで忠実にドラマに再現できたな、と感心する部分のほうが大きいです。しかし、ここから先は違うんだと思うと、ますますワクワクしてきます。いつもどおり、知らない物語を読むということになるのですから。ここからはしっかり頭を使って読みこなしていかないといけない。

私は、この原作では、最初の語り手が須磨社長になっていたから、その調子でいくものだと思っていました。しかし、いつの間にかそれは消えて、須磨さんはすっかり脇役に徹しています。ただ、この物語のキーパーソンであることは間違いないでしょう。そのわりに、私の大好きな俳優さんでもある井浦新さんが、須磨社長を演じたのに、もうちょっと彼をクローズアップしてほしかったなぁと(^^;) あくまで北川景子さんを引き立てるために全員いるような、ドラマではそんな感じになっていました。仕方ないですね、人気女優がドラマの命ですから。

まぁさておき、今晩から読む続きが楽しみです。本当のラストには何が待っているのか!?衝撃的であることを期待します。