「隠蔽捜査4 転迷」読破

今野敏さんの著書「隠蔽捜査4・転迷」を読破しました。

いつもどおりに警視長であり幼馴染である竜崎と伊丹が、全然かみ合っていないのに何故か一緒に事件を解決してしまう、という物語でしたが、読めば読むほど竜崎という人間が好きになるっていうのは一体どういうことなのでしょうか!?「隠蔽捜査」を読み始めた頃、竜崎みたいな頑固者は苦手だな~、と思っていたのですが、読んでいるうちに、その頑固さが逆に羨ましくなってくるんです。頭の中は常にすっきり爽快、「やるべきことをやる」「迷ったら原則に従う」というルールを徹底化するだけで、こんなに頭の中がすっきりするなんて、ある意味羨ましい限り。それ故、人の悩みを受け付けず、妻も娘も振り回されるのですが、「正しいものは正しい」とはっきり言うと誰も言い返せない。この頑固で単純で、けどいつも物事に正しい答えを瞬時に見つける竜崎という人間に、私は今ではちょっと近づきたいと思っています。

今回は公安絡みのやっかいな山で、一見無関係に見える無職の男と外務省の役人の殺人事件が、実はコロンビアマフィアがらみで繋がっていきます。明らかに公安事案でありながら、「殺人事件を警察が解決するのは当たり前のこと」と竜崎は捜査権を譲らず、結果的に事件を解決してしまいます。相方とも呼べる伊丹は刑事部長ですから、役職は署長クラスの竜崎よりも上。しかし幼馴染ですから、竜崎は遠慮せずに全部はっきりぶつける。そのやり取りが爽快でよかったですし、このシリーズは相変わらず面白いと思いました。

さて、次に私が読み始めたのは、葉真中顕氏の著書「ロスト・ケア」です。介護絡みの殺人事件の話なのですが、ちょうど今実家で父が介護を受けているだけに、他人事とはいえないストーリーです。まだ序盤しか読んでいませんが、これは私の私生活の観点からも、かなり読み応えがありそうです。

 

「時限」など2冊購入

5月末に、ニューカレドニア経由でタイ・バンコクに入り、タイ居住を始めますが、それに当たり、今日本から持ち出す本をあれこれ集めています。

今回買った本は、左が佐藤青南氏の著書「ある少女にまつわる殺人の告白」、右が鏑木蓮氏の著書「時限」です。鏑木氏も佐藤氏も、つい最近著書を読んで面白かったと思った作家さんたちです。日本にはまだまだ面白い推理小説を書く人が沢山いるなってつくづく思います。勿論、私が優先的に選ぶのは警察小説ですが、それ以外にも幅広くミステリーを読みます。そのスタンスは、タイに住もうがニューカレドニアに住もうが変わらないでしょう。私は小さい頃から推理小説愛読家ですから。

これらの本は、日本で読むことはないと思います。というか、さっさとパッキングしてしまいました。面白そうなのですが、タイでの慣れない生活の潤いとして、取っておきます。

これからもまだまだ本を集めていく予定です。

「特命指揮官」「インサイドフェイス」読破

随分読書感想を書いていなかったような気がしますが、2冊の本を読み終えました。

まず最初に読んだのは、梶永正史氏の著書「特命捜査官」です。こちらの本、なかなか面白かったです。捜査二課という詐欺などを専門に扱う課に所属する女刑事が、人質立てこもり事件の犯人に何故か交渉役に指名され、一体何が何だかわからないまま交渉役につきますが、そのうち、その立てこもり事件の真相が明らかになっていき、金銭目的ではなく、組織ぐるみの隠蔽に関する書類が金庫に保管されていることを知ります。戦後の日本を立て直すという名目で、二人の戦争の生き残りが国家制圧に乗り出し、そのことが何かしら記されたものが眠っていたのです。そして、それを奪還すべく、それぞれの思惑が交錯します。警察庁からいきなり捜査本部に現れた謎のの警視長や謎のスナイパーらも現場を混乱させます。

誰が味方で誰が敵だかわからない、手に汗握る展開は、なかなか私は好きでした。もう一度梶永氏の著書を読んでみたいと思いましたね。

次に私が一気に読んだ本は、佐藤青南氏の著書「インサイド・フェイス」です。ここでは、行動心理分析官・楯岡絵麻という女性刑事が大活躍します。心理学に興味があり、自らかなり勉強した私としては、彼女の取調べでの観察眼などに下を巻くばかり。行動心理学を駆使すると、犯人の心理なんて丸裸になってしまうんだってつくづく思いました。最初、この本が短編集かな?と思われる節があったので、読むのやめようかと思ったのですが、途中からちゃんと話が繋がってることに気づき、最後まで読むことに・・・。そして、最後の展開も予期せぬものだったので、「やられたな」と思いました。

この本は、好き嫌いがはっきりするかもしれませんね。犯罪捜査において、とにかく足で稼ぎ証拠を積み上げるタイプの刑事っって多いと思うんです。いかにも現代的な、プロファイリングや行動心理学を用いたやり方は、目に見える証拠に固執するタイプの刑事には受け入れがたいと聞きます。確かに行動心理学の手法を使って人々を聴取するやり方は、どことなく危なっかしいです。しかし、こういう技術がないと、今の取調官は勤まらないのではないかとも思えました。だから、古典的な警察小説を好む人にはこの作品は楽しめないかもしれないと思います。私は、古典的なのもプロファイリングなどを用いた現代的な警察小説も好きなので、この本も大いに楽しめました。

さて、今日から読み始めたのは、私の定番、今野敏氏の著書「隠蔽捜査4・転迷」です。隠蔽捜査シリーズは今までもずっと読んできましたから、私にとっては間違いのない作品です。勿論、ドラマも見ました。この本を楽しみにしているというより、もう楽しいってわかっているので、早く寝る時間になってベッドの中で読みふけりたいなぁと思います。

「侵食捜査」「限界捜査」購入

またまた本を購入。安東能明氏の著書「侵食捜査」と「限界捜査」です。

安東氏の著書には当たり外れがあるような気がして、アマゾンで私の購入履歴を調べたんです。そしたら、そこまでハズレっていうのは読んでいなかったなぁ、と・・・・。それに、純警察小説なら、基本的に私はどれでも楽しめますからね。勿論、自分との相性っていうのもあるのですが、警察小説を読んでいるときは充実感でいっぱいになっていますから、まぁ捜査している刑事さんの物語を読むだけで基本的に幸せになれるのが私なんだな、と思います。この2冊はシリーズモノで、赤羽中央署生活安全課の疋田務という刑事が主人公のようです。シリーズモノといっても、今のところ、この2冊しか出ていないのかな??というわけで、一応コンプリートする形で2冊同時購入しました。読むときに順番を間違えないようにしないと損した気分になるので、気をつけます。今は全然別の本を読んでいますから、読むのはだいぶ先になると思います。いずれにしても、楽しみです。

「一千兆円の身代金」読破

八木圭一氏の著書「一千兆円の身代金」を読み終えました。これは、ある意味政治ネタだったので難しいと感じた箇所もあったのですが、最終的にはとても面白かったという印象です。

一千兆円という発想は、国の借金の総額で、これは要するに無能な政治家たちが生み出したものだと。それを返してほしいというのが誘拐犯の訴えでした。勿論、どの銀行にもそんな大金を用意するのは不可能だし、誘拐犯だって無理だとわかっている。そうではなく、どちらかというと「劇場型」を利用して自分の主義主張を広く訴え、それを国民に自覚させるために仕組んだことだったんです。つまり、誘拐犯はこの国の現状を嘆く若者の一人。それこそ思想犯のわけ分からない行動というふうにも取れますが、私は財政赤字のリアルな描写に驚き感心し、妙に納得してしまいました。それに誘拐された少年も実は誘拐犯の一味。元副総理の息子として生まれた子供だったんです。その子供、雄真は、幼いながらに祖父のしてきたことに反発を覚え、独学で政治を勉強していました。その中で誘拐犯の青年と知り合い、行動をともにしたのです。

子供が小学生という設定ですから、そのわりに頭が良すぎて、そこで説得力がなくなった感じはありました。しかし全体を見て、この国が抱えている問題を丁寧にあぶり出し、世間に問いかける構図はよかったように思います。

さて、次のチョイスは、梶永正史の著書「特命指揮官」です。この本を選んだ理由は・・・単行本だったから(^^;) 私は引越しを控えていますから、大きめの本から読んで処分していきたい。まぁ勿論、面白そうだから選んだ本ですけど・・・・今晩から読んでいきます。

「ゴルゴタ」到着

本日また新規で本が届きました。深見真氏の著書「ゴルゴタ」です。

深見氏の著書は、以前「猟犬 特殊犯捜査・呉内冴絵」というのを読んだことがありましたが、あれはなかなか面白かったです。だからまた購入、というのではなく、単に話が面白そうだから。「ゴルゴタ」と聞くと、イスラエルのゴルゴタの丘を思い出します。キリストが最後に処刑された場所ですよね。そして、そんな地名を聞くと、私は何故かドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を思い出してしまうのですが、勿論話は全くの別物です(^^;) ある陸上自衛官の妻が、未成年者によって惨殺される事件が起きました。未成年であるが故保護観察処分で放免になった彼らにその自衛官は復讐を誓います。果たして彼は何を成し遂げるのか?非常に興味があります。確かに重そうなテーマですが、何だかんだいって、あっという間に読んでしまうタイプの本だと思っているので、楽しみにしています。

「策謀」読破

堂場瞬一氏の著書「策謀」を読み終えました。堂場氏の持ち味が存分に出た、いい作品だったと思うのですが、途中うとうとしていたせいで、覚えていない箇所も結構あります(^^;

ある捜査で追っていて海外に逃亡した殺人犯が日本に帰国すると連絡があり、超特急で空港に向かった西川。一方、同期の刑事・沖田は別の放火事件について調べていて、いつしかそれが一本の線で繋がっていきます。帰国した被疑者はひたすら黙秘を貫くか、あるいは質問に答えず、余裕で追求をかわしていました。普通、被疑者なら取調室に入っただけで威圧感を感じ、すぐに容疑を認めるところなのに、何故この被疑者はこんなに落ち着き払っていられるんだろう?また、海外で暮らしていたその資金源はどこから出ていたのか?何故資金が得られていたのか?数々の謎が新たな謎を生む事態になったのですが、結局西川と沖田の強力なタッグにより、事件はおもわぬ方向に向かい、そして解決に導かれます。

堂場氏が描く人間臭さは、適度な感じでいいですね。あまりこういうところでドロドロするのは嫌いなのですが、たまに事件の動機がドロドロネチネチしていて、後味のすっきりしないものはあります。堂場氏は、あくまで警察小説という主体からずれずにストーリーを盛り上げているところがいいです。これもまた、いい作品でした。

さあ、次に選んだ本は、八木圭一氏の著書「一千兆円の身代金」です。現実でも一千兆円の身代金事件がおきた事件はないだろうし、物語でもせいぜい10億円くらいが身代金の相場です。それ以上だと、運ぶのは不可能だし、送金なんていう足がつくやり方をする人はいないだろうし、たとえ可能でも、一千兆円の振込みなら時間がかかり、結局バレてしまう。もう、身代金の額が尋常じゃなくて、だから買っちゃった小説ですよ(^^;

まだあまり読んでいないんです。2,3ページかな。最近は寝つきがよろしすぎるので、全く本が進みません。しかし、何故一千兆円なのか、できれば今晩中にでも少しはわかればいいなぁと思っています。