改めて、富樫倫太郎氏のシリーズ小説「SRO」の番外編、「房子という女」を読破しました。
富樫さんの本を読んでいていつも思うのですが、話の中盤までは、<この本ちゃんと終わるのかな?>っていうくらい物事がスローに進んでいくんです。で、最後に畳みかけるようにして結末を書きあげている感じ。それが不思議と違和感ないんですよね。多分他の作家さんがやったら、必ず無理が出てくる。最後に畳みかける手法は、よほど緻密に計算されていないとできない書き方です。
それが、富樫氏の小説ではきちんと話として成立しているんです。本当に素晴らしいです。この番外編小説「房子という女」も、本を2/3読んだ時点で、まだ共犯者になっていた夫の一郎の話があまり出てきていなかったんです。ひょっとしてこの番外編には更に続きがあるのか!?と一瞬思ったくらいですから。しかし、きっちりそこも畳みかけて終わりました。
この本には、改めて「SRO」で続きが出るのでしょうね。私はこのシリーズを読破してしまい、まだ続きが読めないのが残念に思います。それくらい、内容の充実した素晴らしい作品です。早く続きが出ることを期待しています。
そして、数ある私の本の在庫の中から、次に私が選んだ本はコチラです。
麻見和史氏の「蟻の階段」です。昨日、ちょっと読みましたが、これも猟奇殺人犯の話になっているんじゃないかと思います。前に読んだ「石の繭」はキンドル版だったのですが、内容はきちんと覚えていません(^^;) なかなか読みごたえがあるなあ、くらいにしか覚えていないんですよね。でも、これも間違いなく面白いはず。副題に「警視庁殺人分析班」ってついていれば、私はそれだけで興味をそそられてしまうのです。
まだ物語で一体何が起きているのかわかりませんが、続きを読んでいくことを楽しみにしています。