姉小路祐氏の著書「ダブル・トリック」を読み終えました。今回も、通称「出口の裁判官」である岬剣一郎が大活躍。2つの事件を同時に解決しました。
物語での人々の描かれ方は、きわめて古風だなぁと思います。岬の元婚約者前原美佳は、元上司・前原の娘ですが、岬の弟が殺人事件を起こしたことをきっかけに岬は美佳との結婚を諦めました。元々岬は警察キャリア出身、しかし弟が事件を起こしたのなら、組織では生き残れない。早々に警察に見切りをつけ、保護更生委員の職についたのです。美佳とのやり取りは、全て女性が丁寧語ですから、本当に「3歩後を歩いて夫を立てる妻」のような人なんですよね。そういう恋愛の仕方が今の時代にもあるんだか、それとも時代遅れなのか、私にはわからないですけど、少なくとも今は警察官もお見合いで結婚したり夫婦で遠慮しあうことはないだろうと思います。そこらへんが古風なのがちょっと印象的です。
物語は複雑極まりなく、この場で説明するのも困難です。しかし、次々と明らかになる事実を見ているのが楽しかったです。最後まで意外な展開続きでしたが、そこそこに楽しめたような気がします。
さて、次に読む本を決めました。
佐伯泰英氏の著書「ダブル・シティ」です。偶然にも「ダブル・・・」というタイトルのものが2冊続いていますが、単なる偶然です(^^;) 今回の佐伯氏の著書は、特にスペイン語圏のお話ではなさそうで、私にとっては新しい作風になると思います。読むのを楽しみにしています。