安東能明氏の著書「予知絵」を読み終えました。
心理学の世界では、子供に好きな絵を描かせて、それをもって心理状態を診断する方法があります。今回は、それを使ったお話で、絵に不穏なサインを描いた子が次々に亡くなっていく、という話。このお話では、私自身、心理学と絵の関係について、とても勉強になってよかったと思います。
ただ、いまいち「ふんわり」とした、印象に残りづらい作品です。物語には登場人物がいて、それぞれが個性を発揮します。その個性が、どの人物にもさほど感じられなかったのです。それとラストのところで主人公の女性が殺されるのですが、物語がそこでプツンと終わっている。次のページがなかったのがちょっと意外でした。それくらい中途半端な感じで、不完全燃焼で読み終わった感じなんです。児童心理にある程度精通していれば、内容そのものはさほど難しいものではありません。私もどんどん読み進みました。でもね、あれだけ児童心理と絵についてきっちり描けるのであれば、もっと物語の内容を膨らませてほしかったというのが正直なところです。そういう意味で、ちょっと残念だったなぁ。安東氏の本には、ホントに当たり外れがある。刑事モノならまだ躍動感をもって描けるのでしょうけど、この物語は推理小説ファンの私としては、期待していたほど楽しめなかったです。
さて、次に私が読むことにした本は、今野敏氏の「アクティブ・メジャーズ」です。もうこのシリーズは間違いない!私は大の今野敏ファンですが、彼は多くのシリーズものを手掛けており、その中でも私が最も好きなのが、外事警察官である倉島警部補シリーズです。今晩から読むのですが、もうワクワクしますよ!!一気に読んでしまいたいです!