「ファイヤーボール」読破

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富樫倫太郎氏の著書「ファイヤーボール」を読み終えました。

この間も書いたと思いますが、冒頭でちょっと富樫氏の別シリーズ「SRO」の容疑者のことが出てきたりして、うまく自分の作品をほかの作品に生かしていました。

で、このお話では、放火魔の話が主体になって複数の事件が重なっています。まず当然放火魔がいて、その人物はいわゆる「放火マニア」、通称ピロマニアで、燃える炎を見て興奮するタイプ。職場でいじめに遭っていたことからただの放火より一歩進み、放火殺人を犯そうとしているところを、闇カジノを経営していたヤクザに拉致され、仲間の口封じに利用されました。

・・・とまぁ、色んな事件が複雑に絡み合い、最後に一気に事件が解決するのですが、ここでの主人公は、キャリア刑事である冬彦。彼は空気の読めない人物で、謎解きなどお手の物で他人と自分を比べたりはしないのですが、とにかく失言が多く、周りから疎まれています。それでも、周りからどう扱いを受けているかに全く気づかないで、得意のプロファイリングであっという間に複数の事件を同時解決。この主人公は、なんというか、アスペルガー症候群なのかな?と思いました。何故か犯人の心理は読めるのに、周りの空気が読めず、周りに同調することができない。自分が頭がいいと堂々と言ってしまうあたりが既に失言なのですが、「頭がいいから頭がいいって言っているだけですので」とフツーいうのですから、まぁムカつきます。私の職場に同じような人間がいたら、絶対に話したくないですし、多分一緒に働くことがあったら、すぐに胃が悪くなりそうです。

しかしまぁ、全体的にまとまっていましたね。複数の事件を絡め合わせるのは難しいことだと思いますが、富樫さんは見事にやってのけた。さすがだなって思いました。冬彦シリーズは既に続きを買ってあるので、それも楽しめると確信しています。

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ひとまずそれは置いておいて、次に私が読もうと思っているのは、佐々木譲氏の著書「回廊封鎖」です。この人も私が信頼している、大好きな作家さんの一人です。帯を少し読んだだけでも面白そうだと思ったので、期待できます。今晩から読み始める予定です。

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