今野敏さんの著書「隠蔽捜査4・転迷」を読破しました。
いつもどおりに警視長であり幼馴染である竜崎と伊丹が、全然かみ合っていないのに何故か一緒に事件を解決してしまう、という物語でしたが、読めば読むほど竜崎という人間が好きになるっていうのは一体どういうことなのでしょうか!?「隠蔽捜査」を読み始めた頃、竜崎みたいな頑固者は苦手だな~、と思っていたのですが、読んでいるうちに、その頑固さが逆に羨ましくなってくるんです。頭の中は常にすっきり爽快、「やるべきことをやる」「迷ったら原則に従う」というルールを徹底化するだけで、こんなに頭の中がすっきりするなんて、ある意味羨ましい限り。それ故、人の悩みを受け付けず、妻も娘も振り回されるのですが、「正しいものは正しい」とはっきり言うと誰も言い返せない。この頑固で単純で、けどいつも物事に正しい答えを瞬時に見つける竜崎という人間に、私は今ではちょっと近づきたいと思っています。
今回は公安絡みのやっかいな山で、一見無関係に見える無職の男と外務省の役人の殺人事件が、実はコロンビアマフィアがらみで繋がっていきます。明らかに公安事案でありながら、「殺人事件を警察が解決するのは当たり前のこと」と竜崎は捜査権を譲らず、結果的に事件を解決してしまいます。相方とも呼べる伊丹は刑事部長ですから、役職は署長クラスの竜崎よりも上。しかし幼馴染ですから、竜崎は遠慮せずに全部はっきりぶつける。そのやり取りが爽快でよかったですし、このシリーズは相変わらず面白いと思いました。
さて、次に私が読み始めたのは、葉真中顕氏の著書「ロスト・ケア」です。介護絡みの殺人事件の話なのですが、ちょうど今実家で父が介護を受けているだけに、他人事とはいえないストーリーです。まだ序盤しか読んでいませんが、これは私の私生活の観点からも、かなり読み応えがありそうです。