「震える牛」読破

20160105_230110相場英雄氏氏の著書「震える牛」を読み終えました。

物語の中盤まで、タイトルになっている「震える牛」の意味がわかりませんでした。しかし、途中からわかってきたんです。牛が震える症状、それはBSE・狂牛病の兆候であるということ。この物語は、狂牛病を発症した牛を飼っていた農家やそこと提携していた大企業がBSE問題をもみ消すための工作を図った物語だったんです。それを巡って殺人事件が起きるのですが、捜査をしている側からすると、殺された二人の接点がまるで見えない。当初は場当たり的犯行、二人は偶然その犯行の巻き添えになったということになっていました。そんな初動捜査のミスからこの事件は迷宮入り寸前になっていたのですが、捜査一課の特殊係に任命された刑事がその真相を暴きだします。最初から読みやすい本だな、と思ってすんなり入っていきましたが、物語が進むにつれて、どんどん引き込まれていきました。驚くくらいに、です。この本には読者を引き込むパワーがあり、非常に難しい問題を扱っていながら誰もが読みこなすことが可能なつくりになっているという感想です。とにかく、面白かったです。

20160105_230055さて、次に私が読むことにしたのは、麻見和史氏の「ヴェサリウスの柩」です。ミステリー部門の秀作として認知されているようですが、まだ読み始めたばかりで、詳しいことはわかりません。麻見氏の本はどれも面白くてハズレがないというのが私の感想なので、きっとこの作品もどんどん面白くなっていくに違いない。そう期待して、今晩も読み続けようと思います。

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