「SRO 黒い羊」読破

IMAG7522富樫倫太郎氏の傑作「SROⅣ 黒い羊」を読破しました。昨日は大学病院で診察の順番待ちをしていたので、その間に読破してしまったんです。

今回の話は、未成年の時家族4人を殺害した猟奇殺人犯の話。「蛾」がキーワードになっていました。いつも思うのですが、富樫さんのこのシリーズは、中盤までなかなか捜査の進展がないんです。それでもそこには沢山のことが盛り込まれていて、読んでいて全然飽きない。そしてラストに向かって一気に事件が解決します。

SROには、すぐ銃で被疑者を射殺してしまう針谷という刑事がいます。そして、今回も針谷が犯人を射殺してしまいました。何故すぐにそのような安直な行動に出るのか?針谷の生まれ育ちについてはある程度詳しく書かれているのですが、それが銃の頻繁な使用にどう関わっているのか、読んでいる私にはまだよくわかっていません。それと、前回女性猟奇殺人犯の房子にトラウマを植え付けられた麗子というSROの副室長。彼女がPTSD的症状に惑わされながらも何とか仕事を続けているのも、ちょっと疑問。精神医学的に、人が目の前で殺されて切り刻まれて行くのを見て、それでもその後仕事を続けることは可能なのでしょうか?多分、そんなことをすれば、精神が破綻します。それでもまぁ、麗子という女性は、悩み苦しみながらも仕事を続けていました。

こんな感じで、精神医学全般に精通する私でもちょっとした違和感をたびたび覚えたのですが、それでも全体の流れはとてもよかった。相変わらず読み応えがあり、私にとっては間違いなく傑作の一つになりました。

 

IMAG7518さて、私が次に選んだ本はこちら。高林さわ氏の著書「バイリンガル」」です。もう昨晩から読み始めました。何故これかというと、先日近所で借りてからひと月以上が経っており、いい加減に読んで返さなきゃならないと思ったから(^^;) 読んでみて、今まで読んできたミステリー小説とタッチが少し違うと感じています。正直、少し読みにくい。しかし、ストーリーの先には何が待ち構えているか、わかりません。こちらも引き続き楽しんで読もうと思います。

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