佐々木譲氏の著書「夜を急ぐ者よ」を読破しました。
佐々木氏といえば、私はどうしても北海道警シリーズを思い浮かべるし、だからこそ北海道を舞台にした作品のほうがピンときます。しかし、このお話は東京から始まり、沖縄で本格的なストーリーが展開されます。かつて過激派と共闘していた男、原口泰三は、服役した後、シャバで非合法組織に狙われ、東京から沖縄に逃げます。そこで偶然泊まったホテルの女主人が、かつての自分の恋人だった・・・とこういう話です。裏社会の人間から完全に逃れるためには偽造パスポートか何かで高飛びするしかない。しかし、早々に沖縄に逃げ込んだことが相手にバレていた彼にとって、空路も海路も使えない。さて、一体どのようにして高飛びするのでしょうか?ここで彼は、女主人を通じて様々な人と出会い、何とか台湾に逃れる手はずを整えましたが、最後は銃撃戦により死亡します。
結構スピード感のある小説で、最近の私にしては、あっという間に読んでしまいました。展開を予想しながら読んでいて、その予想を必ず裏切ってくるあたり、流石は佐々木氏だと思いました。面白かったことは面白かった。けど、最後の幕切れがあっけなかったなぁ・・・最後はその女主人と一緒に高飛びしちゃう、というのが、予想通りだとしても、納得のいく結末でした。けどそうはならなかった。ハッピーエンドじゃないことが気に食わないのではなく、物語の終わり方として、早々に、無理やり刀を振り下ろして物語を終わらせたような、プッツンというラストがちょっと気に食わなかったんです。だから、申し訳ないけど、完成度の高い作品とは言えないのではないかと思いました。
さて、次に読もうとしているのは、安東能明氏の著書「第II捜査官」です。佐々木氏の著書では警察小説から離れてしまいましたが、次は私がいつも読むタイプの警察小説です。警察小説であれば、私はそんなに期待はずれのものはないと思っています。純粋に、警察小説が好きなんです。ですから、この本も楽しめるのではないかと思います。早速今晩から読みます!