高林さわ氏の小説「バイリンガル」は、まぁストーリーは難しくないけど、あまりにつまらないのでリタイアすることにしました。寝る時間は私にとってはもっと楽しいものでなければならない。何かこの本は評判がいいみたいですけど・・・
まず、設定がアメリカっていうのがちょっとね。アメリカで事件に巻き込まれた日本人女性や日米ハーフの少女などのことが描かれています。それだけならいいけど、いわゆる古典的な洋風ミステリーなわけです。はっきり言って、シャーロックホームズや名探偵ポワロ、ジェシカおばさんの事件簿みたいなテイストになっている。ホームズやポワロは、探偵という職業の人が事件を解決していきます。ジェシカおばさんもそれに近い感じ。この「バイリンガル」という作品では民間人が主人公になっていて、警察はあくまでわき役です。それが、ちょっとじれったいのかも。次々に事件が起こり、混乱している様子が延々と続いていて、半分読んだ時点で結局事件がどういう方向に向かっているのか、さっぱりわからない。ミステリー小説に必要なスピード感、躍動感がないんです。
私は小説に感情移入はしません。あんまりありきたりの日常を描かれすぎても困るし、SFみたいに現実を超越しているものも読みづらい。本で感動する必要はなく、「あ~楽しかった~~♪」ってなりたいタイプなんです。でも、この小説は全てがのろのろ進んでいる感じがします。
というわけで、気持ちを切り替えて、大好きなジャンルのものに戻ってみようかと思いました。
選んだ作品は、「SRO」です!
アメリカの田舎で起きた事件よりも、猟奇殺人犯の事件のほうが好き。そういうのってちょっと怖い印象を持たれてしまうのですが(^^;) 私みたいにフツーの顔をしてフツーの生活をしている人間が、実は殺人事件の話が大好きだと知ると、みんな引いていきます( ̄∇ ̄;)=З それでも、好きなものは好きなんです。特にSROに関しては、女性猟奇殺人犯という違和感のある設定が違和感なく描かれている。これは本当にスゴイことなんです。富樫倫太郎氏の着眼点も凄いし、本当によく計算された物語だな、といつも感心しながら読んでいます。でも、SROシリーズは、これがラストです。悲しい!もっともっと続きが読みたいし、近藤房子と対決することで完結するのではなく、もっともっと色んな事件に取り組んでいく姿を見続けたいと思ってしまいます。
別冊で、近藤房子の生い立ちについて書かれた小説が出ているみたいですね。それもなかなか面白そう。
とにかく、今晩から「SRO」を楽しんで読もうと思います。