佐伯泰英氏の著書3冊購入

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今回、思い切って3冊の本を同時購入しました。しかも、全部佐伯泰英氏の著書という・・・ハマりすぎでしょ(笑)

1冊目は一番左、「悲しみのアンナ」です。先日私が読破した「五人目の標的」が、警視庁国際捜査班シリーズの第1作だったのですが、これは2作目です。このシリーズは無難に読みこなせそうなので、読み続けようかなぁと思って・・・。

2冊目は真ん中、「ユダの季節」です。これは、佐伯氏得意の、スペインのお話みたいです。軍事政権の指導者、フランコが出てくるあたりがとても楽しみ。これは「眠る絵」にも共通することで、スペインの王政は1975年に復古しましたが、それまで第二次大戦後からはずっとフランコ政権だったんですよね。その時代を背景にしたサスペンスは、最近本当に興味深く読んでいます。

3冊目は一番右、「ダブルシティ」です。こちらはそれまでの2作とはまた違い、日本で起きたテロ事件を扱っています。サスペンスなら断然国際モノを書くような印象があったのですが、どうやらこれは普通に警察小説だったりして!?いや、佐伯氏の傾向からすると、必ず国際組織とかが絡んでいるはず。まぁ絡んでいなくても、面白ければいいです。

どの順番から読もうかな?なんて今からワクワクしていますが、差し当たり今は「フォックス・ストーン」に集中したいと思います。

「凍花」読破

20150303_001553前回ここに、次は今野敏氏の「闇の争覇」を読むと書いたのですが、書いた直後に気が変わって(^^;)、斉木香津氏の著書「凍花」を読むことにしたんです。斉木氏の著書を読むのは初めてでした。何故あの時急に心変わりしたかっていうと・・・よくわかりません。今野氏の著書はシリーズもので、最初からある程度登場人物がわかっていました。けれど、この著書に関しては何もわからない。アマゾンであらすじを読んだこと以外、私には情報がありません。それが逆に、「たまにはまっさらな気持ちで新しいもの読もうかな」という方向に繋がったんです。

なかなか興味深いお話でした。さほど躍動感があるわけでもないし、ただ淡々と事実整理が続くような話。仲良し三人姉妹の長女が次女を殺害。何故そのような事件が起きたのか、三女が事件の謎を解明20150303_002219していくという話です。三人姉妹というのが興味をそそられるポイントだったかも。私が三人姉妹だからです。私は次女。そして、うちもみんな仲良しです。

この事件の核となるのは、長女が持つ性格の二面性です。家族に見せていた顔と外で見せていた顔が全く違う。本人は自己統一を図りたいけど、どうもそれがうまくいかず、二面性を使い分けながら生きることに疲れていくんです。家では常にいい姉でいるように振る舞い、外ではちょっと横柄に振舞う癖がある。本当はみんなと仲良くしたいのに、誰も自分のことなんて見向きもしないと思い込み、孤立感を深めた挙句に発作的に殺人を犯してしまいます。

ここまで書くと、単なるネタバレになってしまうのですが・・・だって、長女は黙秘していて、三女も長女が持つ二面性にまだ気づいていないところから物語は始まっていくのですから。でもそれはさておき、長女の苦しみは少しはわかるような気がしました。自分もかつてはそうだったかもしれない。けど今は逆に、表裏がなさすぎて、誰もが私のことを見透かしているような気がして怖いのかも(苦笑)。外で粋がっていた時代はありましたし、それはそれで自分としては窮屈でした。人生の舵取りの仕方がわからない10代のころなら、誰だってそうでしょう。問題は、大人になっても自我が発達していないことだと思います。それがどんな結果を生むのか、この小説をもって学んだ気がします。

でも、この手の小説を今後も読みたいかといわれたら、そうではありません。私はもっとスピード感溢れるストーリー、壮大なドラマが読みたいのです。ですから、次に読む本は、佐伯泰英氏の著書「眠る絵」にしました。これは、警視庁が舞台となるお話です。この本はまだ読んでいませんが、今晩から読んでいくのを本当に楽しみにしています。

 

「警視庁FC」読破

IMAG0304今野敏さんの著書「警視庁FC」を読み終えました。

正直・・・今野さんの作品の中で、今まで読んだ中で最もつまんなかったかも( ̄∇ ̄;)=З

映画の撮影現場を管理し、外からの侵入者に備えるような部署、まぁそんなところがあってよしとしましょう。物語は、地域交通課からこの部署に派遣され、交通課とFCという部署を兼任することになった巡査が事件に巻き込まれていくという展開になります。しかし、その巡査の周りの警察官の反応が、どう見てもわざとらしい。殺人事件が絡んだ映画撮影に挑んでいて、その捜査に乗り出そうとも、なかなかそうはいかない。全てが「あれ?普通の殺人小説と違う」という違和感の中で、いい加減に途中で私もこの撮影現場にはヤラセが仕組まれていることに気づきました。巡査もそのうち気づくんです。そして管理官や先輩刑事らに問いただします。「この現場で誰も死んでいませんね?」と。

しかし、実は撮影に入る直前に、プロデューサーが謎の失踪を遂げていました。途中からこの話は、失踪したプロデューサーが絡んでいる臭いがしてきました。つまり、やらせの殺人事件のドキュメンタリーが本物の殺人事件現場になってしまった。そこからは、本物の捜査が始まったはず・・・ですが・・・それもまた嘘。巡査に二重のトラップを仕掛け、見事に殺人事件で恐怖におののき真剣に捜査する巡査たちのリアルな素顔の映像が撮れた、というわけです。失踪したというプロデューサーが、全ての仕掛け人でした。その映画の主演女優も、事件に巻き込まれて怖い思いをしているという「演技」をしていたに過ぎない。全部が全部、フェイクだったという話です。

こういう展開、ホントにイヤなんですよ~~~、私は事件解決のプロセスの中にハラハラしたものを見出し、その感覚が好きでやみつきになって警察小説を読んでいるのですが、警察がドキュメンタリー映画の撮影に協力したっていう話なわけですから、そんなのつまんないに決まってますよ。全然事件なんて起きていなかったんですもん。そういう感じは好きじゃないし、そもそも途中で私もヤラセの事件であることに気づいてしまったし。最後に大どんでん返しがあるものと期待していたのに、最後まで本物の事件は起きませんでした。

もうこのシリーズは、二度と読まないと思います。

IMAG0307気を取り直して、次に私は佐伯泰英氏の著書「暗殺者の冬」を読んでいきたいと思います。やらせがある小説のほうがレアですから、こっちのほうがはるかに面白いと思います。ただ、この作家さんの本を読むのは初めてなので、私が読みこなせるレベルなのかどうかが心配です。私が例の「極点飛行」に誘発されて購入した、南米を舞台にしたサスペンスです。今日から本格的に読んでいくので、楽しみにしています。

2冊同時購入

IMAG0236最近の私は本を読むスピードが遅くなったので、あまり本を購入する機会がなかったんですけど、ついにまた2冊買いました。

まず左側の一冊目、佐伯泰英氏の著書暗殺者の冬」 佐伯氏の著書を読むのは恐らく初めてですが、私は今回南米を舞台にしたサスペンス小説を探した結果、この本にたどり着きました。

佐伯氏は、闘牛カメラマンとして活動していたという変わった経歴の持ち主です。ならばスペイン語が堪能で、南米にも強いでしょう。今回のお話の舞台はスリナムで、あそこはオランダ語圏です。でも、きっとそのほかの南米地域の事柄も出てくるでしょうし、あらすじを読んでみる限りでは面白そうな作品です。

ただ、作家との相性ってものがあります。私は今野敏し、笹本稜平氏らとは相性が抜群で、彼らの本なら難なく読みこなしてしまいます。逆に、私は宮部みゆきさんとか全然ダメ。最近は、東野圭吾さんも以前ほど面白いとは思えなくなってきました。あと、私には難しすぎる本もあります。佐伯氏がどんな作風なのか、まずは見極めないといけません。もしハマれば、彼は冒険系ミステリーを多く手がけているようなので、今後も彼の本を買うことになると思います。

そしてもう1冊、青木香津氏の著書「凍花」 青木氏もまた、私にとっては初めての作家です。何故この本にたどり着いたかというと・・・覚えていない(^^;) いや、漠然とした理由なんです。ミステリー小説検索のネットサーフィンをしていた時に目に留まり、何となく面白そうだと思ったから購入することにしたんです。今までは生粋の警察小説ファンで今でもそれは変わりありませんが、南米チリを舞台にした壮大なミステリー「極点飛行」を読んでから、自分が楽しめるジャンルの本がほかにもあったんだとわかったので、警察小説以外のミステリーをもう少し読んでみようかな、と。そんな理由で、この本が選ばれたのです。警察小説はこれからも読んでいくでしょうし、けどたまには違った作風もいいだろうし。

まぁ一生恋愛モノや青春モノは読まないでしょう。テレビでもそういうのを見ると吐き気がしてきますもん。ああいうのは昔から相性が悪い。もうこれは、私のDNAがその類の本を拒絶しているとしか思えませんね。

何はともあれ、この2冊の本を読むのを楽しみにしています。

「極点飛行」読破

IMAG0206もんの凄く時間がかかったのですが、ようやく笹本稜平氏の著書「極点飛行」を読み終えました。

最初、この本を読むのはあまり乗り気ではありませんでした。殺人事件とか色々絡んでいて、そういう意味では普通の推理小説のような感覚で読める気がします。しかしそれ以上にクローズアップされていたのが、壮大な南米大陸と南極のこと、そこで生きる人々のこと。要するに、冒険小説というジャンルです。私はその手のものをあまり読んでこなかったので、読み進むのに随分と時間がかかりました。それだけではなく、これを読み始めたと同時に、物凄く忙しくなっちゃって、読む時間がなくなったというものありました。

ただ、途中から物凄くハマってしまいました。スリリングな展開だったからかもしれませんが、南米や南極の壮大さを本当に目の当たりにしているような気分になり、気持ちが大きくなり、感動すらしてしまったのです。

元々私は南米に興味がありました。私が初めて興味を持った外国が、南米だったのです。南米にあるアンデス山脈の文化、アマゾンなど、自然界が私を魅了しました。インディオたちが築く文化にも興味があった。そこを舞台に、日本人のパイロットと日系南米人の人たちが大活躍するんです。時はうんと遡り、ピノチェト政権時代の話から物語が続いていました。私にとってはある意味では新しいジャンルでしたが、本当に素晴らしい小説にめぐり合えたものだといまだに感動を覚えます。

それで、南米を舞台にした冒険モノをまた探してみたんです。笹本氏の本を主に探しましたが、彼はヒマラヤを舞台にした小説は多く書いているものの、あまり南米を舞台にしたものは書いていないようでした。また南米大陸関連の推理小説があったら、是非とも読んでみたいと思います。

IMAG0207さて、次に私が読むことにしたのは、定番、今野敏さんの著書です。「警視庁FC」 こちらは私が初めて読むシリーズです。警視庁が出てきたところで、何となく原点に帰ってきたなぁと思いました。まだ極点飛行の余韻が残っているのですが、今野さんの本ならすぐにまた読みこなしていくと思います。昨日から読み始めていますが、先に進むのが楽しみです。

「緊急発砲」読破

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姉小路祐氏の著書「緊急発砲」を読み終えました。

なかなか面白かったですね。シンプルな設定だったと思います。とある町の二人の巡査が夜回りに出たところ、女性が山の上から「助けて!襲われた!彼がまだ相手と戦っている!」と駆け下りてきたところから物語はスタートしました。結局巡査のうち一人が加害者に向かって発砲、その場で被疑者は死亡しました。しかし、発砲とは日本でそうそうあるものではない。警察はあくまで「やむを得ない判断だった」と発表しますが、被疑者の内縁の妻が「絶対に殺されたんだ」と無実を訴える裁判を起こすことに。そして、物語は思わぬ方向へ行きます。

発砲モノは、日本人が書くとあまりリアルじゃないときが多いと思います。日本は銃社会ではないですからね、やくざ同士の抗争以外の場面で撃ち合いなどはありません。だから、描写に気をつけないと嘘っぽくなりますが、この作品はなかなかの秀作だったのではないかと思います。

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さて、次に私が読むことにしたのは、笹本稜平氏の著書「極点飛行」です。実は読み始めてはいるのですが、最近忙しさとかのせいであまり集中して読んでおらず、たぶんもう一度最初から読まないとわからないかもしれない(^^;) ただ、南極が舞台で、南米に関わる事件が起こります。壮大なスケールの小説で、最初からアルゼンチンの南端の町の名前が出てきて、何か心が広くなりました。「世界って広い!」って思える、まだちょっとしか読んでいませんが、そういう気持ちを抱かせる、とても気持ちのいい作品です。これから読んでいくのが楽しみです。

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さて、私の本棚にはストックがなくなっていることに気づきました。そこで3冊の本を取り寄せましたが、そのうちの2冊、ともに今野敏さんの著書ですが、それらが届きました。一冊目は「警視庁FC」、もう一冊は「闇の争覇」です。今野作品には毎回期待していますが、まずは「極点飛行」を頑張って最後まで読もうと思います。

「予知絵」読破

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安東能明氏の著書「予知絵」を読み終えました。

心理学の世界では、子供に好きな絵を描かせて、それをもって心理状態を診断する方法があります。今回は、それを使ったお話で、絵に不穏なサインを描いた子が次々に亡くなっていく、という話。このお話では、私自身、心理学と絵の関係について、とても勉強になってよかったと思います。

ただ、いまいち「ふんわり」とした、印象に残りづらい作品です。物語には登場人物がいて、それぞれが個性を発揮します。その個性が、どの人物にもさほど感じられなかったのです。それとラストのところで主人公の女性が殺されるのですが、物語がそこでプツンと終わっている。次のページがなかったのがちょっと意外でした。それくらい中途半端な感じで、不完全燃焼で読み終わった感じなんです。児童心理にある程度精通していれば、内容そのものはさほど難しいものではありません。私もどんどん読み進みました。でもね、あれだけ児童心理と絵についてきっちり描けるのであれば、もっと物語の内容を膨らませてほしかったというのが正直なところです。そういう意味で、ちょっと残念だったなぁ。安東氏の本には、ホントに当たり外れがある。刑事モノならまだ躍動感をもって描けるのでしょうけど、この物語は推理小説ファンの私としては、期待していたほど楽しめなかったです。

IMAG9679さて、次に私が読むことにした本は、今野敏氏の「アクティブ・メジャーズ」です。もうこのシリーズは間違いない!私は大の今野敏ファンですが、彼は多くのシリーズものを手掛けており、その中でも私が最も好きなのが、外事警察官である倉島警部補シリーズです。今晩から読むのですが、もうワクワクしますよ!!一気に読んでしまいたいです!

今野敏氏の作品購入

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今野敏さんの著書を2冊購入しました。

まず左側は、倉島警部補シリーズの「アクティブ・メジャーズ」 私はこの公安警察官の倉島警部補シリーズが大好きです。そもそも今野さんの作品を好きになった理由がこの倉島警部補シリーズにあります。公安とロシアとの緊張感溢れる心理戦が主に描かれていますが、私が最初に読んだ「白夜街道」や「凍土の密約」がスリリングで凄く楽しくてのめり込んで、それがきっかけで今野さんのファンになったのです。で、そのシリーズでもっとほかにないかとWikipediaで今野氏の著書一覧を見てみたら、この本だけ読んでいないことがわかりました。だから、購入したんです。

もっとも、ちょっとトラブりました。よくあることなのでそしょうけど・・・1円で本を購入できたはずなのに、それが在庫切れになっていたんです。在庫切れのものは注文できないはずですから、これは本屋さん側の情報更新ミスによるものです。ちょっと悔しくて、別のところでこの本を探しましたが、1円ではありませんでした(^^;)50円くらい!?それくらい払えって感じですかね(苦笑)

右側の本は、「赤い密約」です。あれ?私はどうやら、「密約」というタイトルのものに弱いようだ(^^;) そして、この本もロシア絡みの案件です。

今野さんはロシアについて本当に詳しい。勿論作家は取材活動をするものですが、中でもロシアについてはいつも綿密に調べてあるんですよね。今野さんの本で外国が絡んでくるものの中で、ロシア関係のものがダントツで面白いんです。そんなこともあって、今回赤い密約を購入してしまったんですよね。

今は全然違う本を読んでいますけど、もう何だかどっちも早く読みたくなってきた!次は多分、「アクティブ・メジャーズ」を読むんだろうと思いますが、差し当たりは今の本を読破することに専念します。

因みに「密約」というキーワードですが、外国の小説でも面白いのがあります。ジェフリー・アーチャーの「ロシア皇帝の密約」です。ん?これもロシアだ・・・。実はその昔、日本の推理小説ばかり読んでいたわけではなく、このアーチャー氏の本にハマっていました。そのきっかけになったのが、偶然実家にあるのを見つけて読んでみたこの「ロシア皇帝の密約」だったんです。懐かしいなぁ。こちらもかなりオススメですね。

「マスカレードホテル」読破

IMAG9642東野圭吾氏の著書「マスカレード・ホテル」を読み終えました。

これは、事前にホテルで殺人事件が起きることを察知した警察がホテルマンに扮し、犯人に迫っていく物語です。潜入捜査員は複数名いて、そのうちフロント係のスタッフにも一人警察官が紛れ込みます。最初は目つきなど刑事独特の雰囲気が出て扮装になっていなかったのですが、徐々にみんなホテルマンらしくなっていく。そして事件は意外な結末で解決します。

東野さんは、次々に新しい設定で物語を作っていく。多分、その腕は天才的で、ほかの推理小説家とは違うのだと思います。東野作品は毎回完成度が極めて高いにも関わらず、誰にでも読みやすい仕立てになっている。例えば警察小説を主に読む私ならどんな警察小説でも読めるけど、ほかの人だとそれは多分無理です。警察の専門用語や階級社会にある程度精通していたほうが、小説を面白く読めるんです。そういうハードルがないのが、東野作品のいいところなのだと思います。

ただ、何と言うか・・・無難、なのかな?この作品は。「プラチナ・データ」を読んだ当たりから思っていました。東野作品が徐々に大人しくなっていってると。「白夜行」が最高傑作であるほか、「天空の蜂」「使命と魂のリミット」など、渾身の作品と呼ぶべき作品が多かったんです。ところが最近、無難にまとまっている気がします。東野作品の勢いとか、繊細な造りとか、そういうものが失われてきている。その点が非常に残念です。

しかし、普通にエンターテイメントとして、誰もが十分に楽しめる作品でもあります。推理小説を読みたい方なら、どなたでも楽しめるのではないかと思います。

IMAG9643さて、次に私が読むことにしたのは、安東能明氏の著書「予知絵」です。

これも何となく手に取ったというか、とりあえず思いつきです。安東氏の本は私には合うものと合わないものがありますが・・・それはさておき、ひとまずミステリーであることは確認してあります。まだ数ページ読んだだけで内容がはっきりしてこないのですが、なかなかおもしろそうな心理サスペンスです。今晩も引き続き読んでいこうと思います。

「翳りゆく夏」読破

IMAG9596赤井三尋氏の著書「翳りゆく夏」を読破しました。

私にとって新しい感じの小説だったような気がします。以前に新聞社が舞台になった小説を読んだことがあって、それは正直あまり面白くありませんでした。謎解きはやはり警察組織がやったほうが断然面白いんです。警察組織内にあるあらゆる部署が連携するのが最高に面白い。鑑識や捜査一課、マル暴、そして公安などの組織がうごめいて、その中の駆け引きのようなものがまた見どころだったりします。新聞社が舞台だと、その手の面白さがなく、あくまで素人独自の捜査っぽく見えてしまう。勿論、記者さんたちも取材のプロだから、それなりの情報収集能力があるんですけど。で、前に読んだ新聞社の話は、その素人っぽさが丸出しな感じがマイナスでした。

今回の「翳りゆく夏」では物語が二重構造になっています。一つは、誘拐犯の娘を新聞社で雇うことの是非について、そしてもう一つは、その誘拐事件の真相に迫るということです。この二つの物語が絶妙にシンクロしていて、スリリングな展開にもなっていて、結末の意外性も興味深くて、全体的にまとまりのある作品になっていたと思います。赤井氏の作品、いいですね。今まで読んだことあったかしら?私、ちゃんと著者名まで覚えていることがないもので(^^;)引き続き注目していきたいと思いました。

そして、次は思いっきりベタな本を選んでみました。

IMAG9597東野圭吾氏の著書「マスカレード・ホテル」です。何故こんなベタな本を買ってしまったかがそもそもの謎ですね、私としても。ただ、東野さんの本は10年以上前からずっと読んできて、今ほどの人気作家ではなかった頃から天才的なものを感じていました。それから、東野さんが売れっ子になりすぎて、暫く敬遠していたんです。あまりトレンドに乗っかるタイプではないのでね。それに、東野さんの著書は、古本になってもなかなか大幅な値下げはしないんです。私はいつもアマゾンで1円の本から探しているような人間ですから、東野さんの本は高く感じる。

けど、たまには原点回帰でもいいのではないかと思いました。私にとって、推理小説好きのきっかけともなった作家さんだったような気がするんです。10年以上前に初めて読んだ東野圭吾作品が、「白夜行」です。この本は、6時間くらいぶっ続けで読んで本当に面白くて、こんな面白い小説今まで読んだことがない!と本気で思いました。

「マスカレード・ホテル」は、たまたま買った本です。で、「翳りゆく夏」のあとに何を読もうか考えるまでもなく、たまたま一番手近にあったから読むことにしました。これは、東野氏の新シリーズになっているようですね。既に結構読み進んでいますが、なかなか次の展開が読めません。そこがまた楽しみですね。今晩も引き続き読もうと思います。